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2008年11月21日 (金)

血液型別性格占いって。。

今日のヤフーニュースにこんな記事が載っていました。

「疑似科学やオカルト… なぜ、だまされるのか?(11月21日8時1分配信 産経新聞)」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081121-00000055-san-soci

この記事に立命館大学国際平和ミュージアム名誉館長の安斎先生の講演の様子が書かれていますが、私が大学生の頃は国際関係学部の教授で一般教養の「自然科学概論」も担当されていました。

その講義もオカルトの実態や人とはだまされ易い存在であるという事がテーマになっていて先生が得意な手品を交えた内容のもので、とても楽しい講義だったことを覚えています。

なので、一般教養にも関らずすごい人気でした。

授業の内容で思い出されるのが、時折思い出したようにブームになる血液型別の性格占いです。

元々信じていなかったのですが、この講義を聴いて全く意味のない事だというのを確信しましたね。

それどころか差別にもつながる危険な考え方だと感じましたね。

ABO式の血液型の分類は赤血球が発現する抗原(免疫反応を引き起こす物質)の種類を元にした血液の分類方法でしかなく、その種類の違いで本人の性格にまで影響を及ぼすとは到底思えません。

しかも、ABO式の血液型は4種類しかないわけで、人間の性格を4種類にのみ分けるのは非常に無理があることだと思います。

例えばインディアン等の原住民と呼ばれる方々の血液型はほぼO型らしいですし、そうするとインディアンの性格は一種類ということになってしまいます。

血液型占いの本を見て、「なんとなく合ってる」と思うのはフリーサイズ効果が働くためであるといわれています。
フリーサイズ効果とは、服のサイズが語源になっていて、誰にでも当てはまるような漠然とした事柄について指摘されたようなときに、少しは「あてはまる」と思ってしまう効果のことです。

例えば「几帳面な性格である」とか「大雑把な性格である」とか言われたときに、「ああ、あってるかも」と思うのは、人間の性格には多面性があるためと言われています。

ある一つのことに対しては「几帳面」であるが、他のことに関しては「大雑把」であるといったことはよくある話ですよね。

皆さんも自分の行動を振り返ってみると思い当たる節がありませんか?

しかもこの几帳面とか大雑把という性格の判定が何を基準にして判断されているかは明確にされておらず、人それぞれの受け取り方に大きく左右されるものです。

それこそ「フリーサイズ」なわけですね。

この血液型占い。海外ではほとんど問題にされないのに、日本では何故こんなに問題とされるのでしょうか。

私は日本人は肩書きに弱く、また他人と同じであることを強く望む風土があるからだと思います。

血液型でグループ分けがしたいんですね。
確かにABO式血液型分類は単純で分かりやすいですし、話題の一つとしては楽しい部分もあると思います。

ただ、茶飲み話として話題にするぐらいならともかく、テレビ番組で当然のように放送されていたり、いい大人が真剣に「血液型性格分類」の本を買っている姿を見ると、ちょっとひいてしまいます。

本人が楽しむ分には全然否定する気はないのですが、それを根拠に「オマエって○○型やから××やな~」といわれるのは、はっきり言って不愉快ですし迷惑です。

昔、働いていた事務所でコイツが原因で上司と口論になった経験があるナカジマでした。。

税理士 大阪 中嶋聡税理士事務所

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コメント

む~さん、はじめましてコメントありがとうございます。

大変勉強になりました。

僕自身は、人間の性格は非常に多様性に富んでいると思っているので、無理に4種類に押し込めようとするABO式の判定方法にはなんとなく違和感を感じてしまうのです。
(押し込めるためにフリーサイズ効果を使っているような気がしまして。。)

「○○という性格」といった分類方法自体の基準がよく分からないですしね。

遊びだからと思って、気にしなければいいのですが、直接面と向かって言われると我慢できずに反論したくなってしまいます。

まだまだ修行が足りません。

投稿: なかじっち | 2008年11月21日 (金) 15時45分

はじめまして。yehooのリンクからきました。
同じようにyehooから来られる方もいるでしょうから、少し気になる所を指摘させていただきます。

>ABO式の血液型の分類は赤血球が発現する抗原(免疫反応を引き起こす物質)の種類を元にした血液の分類方法でしかなく、その種類の違いで本人の性格にまで影響を及ぼすとは到底思えません。

↑ABO式血液型に関連して性格に差が出る「可能性」自体は否定できません。
ただし発見されていないので、現在は「ない」とされています。
ABO式血液型性格判断は、科学的に「ない」といわれていることを「ある」と偽っているから「疑似科学」なんですね。

>しかも、ABO式の血液型は4種類しかないわけで、人間の性格を4種類にのみ分けるのは非常に無理があることだと思います。

心理学では「ビッグファイブ理論」というのがありますし、身近な例では男女の傾向というのもありますから、人の性格を4種類には分けられないという批判は有効ではありません。

ABO式血液型性格判断を批判するには、統計では血液型と性格の差が出ていないことを押さえ、「でも私の周りにいる●型は云々」という人には心理的な錯覚(フリーサイズ効果やバーナム効果、自己成就予言など)による思い込みが原因だと言えばいいのではないでしょうか。
これで納得しない人は、それこそ「疑似科学やオカルトに騙されやすい人」ということだと思います。

長々と失礼しました。

投稿: む〜 | 2008年11月21日 (金) 14時23分

はじめまして、こばこばさん。コメントありがとうございます。

僕もこばこばさんと同じ質問を、そういった本を買って読んでいる人たちに聞いてみたいです。

占いに否定的な意見には、たいてい「遊びだからいいんじゃない。」とかいうコメントが返ってきますが、「じゃあ遊びで人を不愉快にさせるのだけはやめてくれ」と言いたいです。

でも、いつまでたってもこういったのが無くならないのは、やっぱり売れるからなんでしょうねぇ・・。

投稿: なかじっち | 2008年11月21日 (金) 13時42分

はじめまして、こばこばです。

最近また、血液型占いの本が売れているそうです。
私には理解のできないことです。
だって冷静に考えれば、信頼性がないことがわかると思うからです。
自分の血液型だけあっていて、他の血液型に当てはまらない人っているのでしょうか?

投稿: こばこば | 2008年11月21日 (金) 12時48分

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